衆議院 文部科学委員会議録

第156回  国会

第1号 平成15年2月25日(火曜日)

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○古屋 圭司委員長

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馳浩君。

 

○馳浩委員

 おはようございます。自民党の馳浩です。

 大臣、お元気ですか。風邪がはやっておりますので、ぜひお気をつけていただきたいと思います。

 きょうは、私立大学の生き残りと、そして不幸にも経営破綻した場合の後始末について質問させていただきます。

 今ほど大臣の所信にもありましたように、大学の、いわゆる高等教育機関の競争力を高めて国際的に通用する人材を育成しよう、そういう文部科学省の方針がある一方、そうはいいながらも、現実問題として、地方であったりあるいは偏差値のちょっと低いと指摘されている大学は、実は経営の破綻に直面している大学もあります。今後、十八歳人口の減少ということを考えれば、これもまた一つの高等教育機関にかかわる問題であろうと思いますので、今後の文部科学省の対応の姿勢といったものをお聞かせいただきたいと思います。

 まずお伺いいたしますが、広島の私立立志舘大学が、ことし一月、学生の募集停止にまで至りました。現在どういう状況になっているのか、また、在学生の転学や入学金についてどうなっているのかを教えてください。

 

○加茂川政府参考人(文部科学省高等教育局私学部長)

 お答えをいたします。

 御指摘の立志舘大学につきましては、平成十二年四月に、当時の広島女子商短期大学を改組する形で、広島安芸女子大学として開設されたものでございます。また、平成十四年四月には現在の名称に変更されてございます。開設当初から大幅な定員割れとなりまして、このため、資金繰りが困難となっていたものでございます。

 立志舘大学を設置する学校法人広島女子商学園は、大学と高等学校を設置しておる法人でございますが、このままでは学校法人自体の存続が危ぶまれるため、高等学校のみの学校法人として存続していくことを決めまして、平成十五年度の立志舘大学の学生募集を停止したところでございます。

 また、同大学の募集停止に当たりまして、在学生の措置が大変大きな課題になったわけでございます。そこで、呉市にございます呉大学の協力を得まして、一つには、学生本人の同意が得られた場合には在学生をこの呉大学へ転学させること、二つには、卒業まで現在の立志舘大学のキャンパスで授業を実施すること、三つには、転学にかかる入学金、委員御指摘の入学金の件でございますが、免除するということなどを前提に、すなわち在学生の負担が少しでも軽減されるような配慮のもとに、両大学の話し合い、手続が現在進んでおるわけでございます。

 この方針に基づきまして、在学生は現在百七十四名ございますけれども、希望等を確認いたしまして、一部退学等を除きまして、このうち百五十八人が呉大学へ転学することになったと報告を受けておるわけでございます。

 これによりまして、立志舘大学は、平成十五年四月から学生がいなくなりまして、休校状態になるわけでございます。

 

○馳浩委員

 いわゆる四年制大学の廃校の幕あけともとらえてよい、非常に厳しい、切ない一つの現実であろうと思います。

 四年制私立大学の定員割れが、一昨年で百四十九校、全体の三〇・二%、昨年が百四十三校、全体の二三・八%になりました。定員割れが四割を超える大学が、一昨年で三十五校、昨年が三十六校、全体の七%に及んでおります。この三十六校中十二校が、過去三年連続して四割以上の定員割れを起こしております。ちなみに、短大は、昨年で五十五校、三年連続が二十七校です。

 さらに、財務指標を見ると、流動比率、これは流動負債に対する流動資産の割合ですが、これについては、一〇〇%を切ると資金繰りに窮していると見られるものですが、一〇〇%を切る大学が昨年で三十四校あります。

 こう見てくると、破綻の予備軍として十数校あたりが非常に経営の危機に瀕しているのではないかというふうに思われますが、こういった現状の数字を見て、大臣としては、今そこにある危機として、私立大学の経営問題についてどのような認識を持っておられるのか、お聞きしたいと思います。

 

○遠山国務大臣

 馳委員御指摘のように、近年の十八歳人口の減少などによりまして、私立大学の経営環境が大変厳しさを増しているということについては認識をいたしておりますし、心を痛めているところでございます。

 私立大学の経営につきましては、第一義的には、それぞれの大学の経営関係者がしっかりとその経営について考え、そして将来のことも見ながらマネージしていただかなくてはならない問題だとは思いますけれども、文部科学省としましても、学校法人が経営困難に陥ることがないように、できれば、やはり事前の指導、それから助言、あるいは援助の充実というものを図っていくことが大事だとは考えております。

 このために、従来から学識経験者などから成ります学校法人運営調査委員会制度を設けておりまして、その委員の方々が実地調査をしたりして、そういう必要なところについては指導助言を行ってまいっております。特に今年度からは、委員を増員したり、あるいは実地調査の対象校をふやしましたりいたしまして、自主的な改善努力を支援するためにいろいろやっておりますが、また、日本私立学校振興・共済事業団、いわゆる事業団と呼んでおりますが、ここで財務分析を充実しているところでございます。

 さらには、学校法人の経営基盤の強化に向けた取り組みなど、あるいは実際に学校法人が経営破綻した場合の対応などにつきまして連絡調整を図りますために、文部科学省、先ほどの事業団、それから私学団体による私立大学経営支援連絡協議会というものを設けまして、検討を行っているところでございます。

 いずれにしましても、この問題は、これから大変大きな課題だというふうに認識しているところでございます。

 

○馳浩委員

 大臣が非常に御心配されているとおり、学校法人運営調査委員会や共済事業団、そして今御指摘の私立大学経営支援連絡協議会などなどで私学の経営に対する御支援、相談体制はとっておられるようでありますが、そうはいいながらも、やはり今般のような立志舘大学の事例が今後出てくる可能性があるわけですね。

 ちなみに、非常に期待もしておりますが、この私立大学経営支援連絡協議会、今後どういうような作業工程で機能させていかれるのか。今回の立志舘大学の件に関しましては十分に機能をなし得なかったという反省点もあろうかと思いますが、今後のこの作業工程と文部科学省としてのかかわりを教えていただきたいと思います。

 

○加茂川政府参考人 (文部科学省高等教育局私学部長) 

 私立大学経営支援連絡協議会についてのお尋ねでございます。

 本協議会は、各学校法人の経営基盤強化に向けた取り組み等を支援するための基本的な施策について検討しますとともに、実際に学校法人が経営破綻した場合には、その対応についても連絡調整を図ることを目的に、平成十四年三月に設置をいたしたものでございます。関係者との間で必要が生じた場合に、随時、機動的に、学校法人の基盤強化、経営破綻した場合の対応について各種の連絡、協議を行うことをその使命としておるわけでございます。

 機動的に対応することとあわせまして、この協議会を有効に機能させるためには定期的にこういった会を開く必要があろうかとも考えておりますので、そういったことも検討してまいりたいと思っております。

 

○馳浩委員

 議事録などは公開していただけるんですか。答弁は求めませんけれども、要は、できるだけ連絡協議会の議論が我々議員にもわかるような形で情報提供いただかないと、やはり常に私たちも、こういう指示というかお願いというか、こうした方がいいんじゃないかとか、あるいはそんなあり方でいいんじゃないかというふうに申し上げたいと思いますので、十分そういう情報なども出していただけるように、できたら議事録も公開していただけるようにお願いを申し上げておきます。

 それで、大臣、この国会は国立大学の独法化の法案が出ておりますね。これは遠山大臣も大変積極的にリーダーシップをとられておる法案でありますが、やはりしわ寄せが私学の方に来るのではないかという懸念があるわけですよ。独法化されれば、定員の弾力化であるとか寄附金集めとか、それぞれの独法化された大学が特色を出してくると、恐らくそのしわ寄せとして私立大学の経営に、つまり受験者の減という一つの現実問題も出てこようかという心配なんですね。

 そこで、質問を続けさせていただきますが、社団法人日本私立大学連盟は、この危機に備えて、「学校法人の経営困難回避策とクライシス・マネジメント」という危機管理マニュアルを昨年三月に作成しております。マスコミでも大きく取り上げられております。私も精読をさせていただきましたが、実に示唆に富む内容が盛り込まれております。我々立法、行政サイドに対する提言も数多く見られます。

 そこで、私自身も、こういう方向で改革をしていくべきではという提言や、私なりの提言をこれからさせていただきたいと思います。

 まずは、財務状況の情報公開であります。

 財務諸表の公開の徹底、すなわち、全学校法人による、一般人でも知り得る場所、機会による公開を提言したいと思います。例えば、ホームページ上に三種類すべての財務書類を公開させたりすることであります。私学助成を受けている立場であり、国民の税金の投入ということになりますから、国民へのアカウンタビリティーとして当然だと考えますし、また、この財務諸表の公開は、実は私学経営を健全ならしめるキーポイントの一つとも考えられているからであります。

 また、関連して、一般人が見てもわかるように、情報公開の実益を高める意味でも、現在ある学校法人会計基準を見直して、特に簿価から時価会計に見直すなど、企業会計原則を導入していくべきではないかと思います。この点は私大連盟も強く要望しているところでありますが、この二点についての所見をお伺いしたいと思います。

 

○加茂川政府参考人 (文部科学省高等教育局私学部長) 

 お答えをいたします。

 まず、財務諸表の公開についてでございますが、私どもも、私学の有する高い公共性にかんがみまして、積極的にこれを公開していくことが必要であると考えてございます。かねてより、各種の会議等を通じまして、法人関係者に積極的な取り組みを要請、指導してきておるわけでございます。私立大学が情報を可能な限り社会に提供することによって、社会から評価を受けるわけでございます。学校の自主的、自律的な取り組みによって、ますます質の向上を図っていくこともこれによって期待できるものと思っておるわけでございます。

 十三年度の数字でございますが、文部科学大臣所管であります大学法人のうち、何らかの形でこの種の情報公開を行っておりますものが八五%強ございます。今後とも、積極的な公開を促してまいりたいと思っております。

 また、二点目の学校法人会計基準についてでございますが、学校が極めて高い公共性並びに継続性、安定性を求められておる特徴を踏まえまして、主として収支の均衡の状況を正しくとらえるということを目的といたしまして、この学校法人会計基準が設定されておるわけでございます。

 一方、委員御指摘の企業会計原則でございますが、これは、営利を目的とする企業の特性を踏まえまして、主として収支の状況を正しくとらえるということを目的としておるものと理解しておるわけでございます。すなわち、二つの会計基準はそれぞれ目的が異なっておりまして、事柄に応じた個別の判断が求められるのだと私どもは考えておるわけでございます。

 ただ、現在の学校法人会計基準はわかりにくい、あるいは本来の趣旨が徹底されていないという指摘があることも十分承知をしてございます。そこで、現在、大学設置・学校法人審議会に学校法人制度改善検討小委員会を設けまして、今の二点、すなわち、財務情報の公開のあり方でありますとか、会計基準のあり方を含めました学校法人制度の改善について検討をしていただいておるところでございます。この検討結果を踏まえまして、必要な見直しについて適正に対応してまいりたいと考えておるものでございます。

 

○馳浩委員

 昨年、帝京大学問題もこれあり、あれは特殊な例かもしれませんが、学校法人の会計基準については、より透明性があって経営状況がよくわかるような方向性というのが大事ですから、今検討中であるそうでありますが、私学法の改正もひとつ視野に入れながら、文部科学省としてもぜひ厳しく見ておいていただきたいと私は要望申し上げます。

 次の質問をいたします。

 収入源の多様化という意味で、学校法人が出す学校債の運用のさらなる規制緩和、また、学校債の転売が法的にも可能になるようにしたり、寄附金税制のさらなる優遇措置、これは寄附金の損金算入の拡大でありますが、こういうことをすべきと思います。これは、収入源の多様化という意味のほかに、学校経営が市場のチェック、評価を受ける、経営健全化の意味もあることを忘れてはならないと思います。

 この収入源の多様化は、学校法人、特に研究所、大学病院等を除いた大学部門の収入源に占める学生納付金の割合が昨年では七七%もある現状を見るならば、喫緊の課題ではないかと思います、入学者の数、ひいては十八歳人口に今後余りにも経営が左右されてしまいかねないという実態でありますから。この件についての御所見を伺いたいと思います。

 

○加茂川政府参考人 (文部科学省高等教育局私学部長) 

 お答えをいたします。

 学校債等を活用して学校法人の収入源の多様化を図るべきではないかという観点からの御質問とお受けとめいたしました。

 現在、大学が、学生納付金、授業料等が主でございますが、これに多く頼っておりますので、それ以外の、外部資金を積極的に導入していく必要があるということは、私どもも極めて重要な課題であると認識をしてございます。そこで、これは平成十三年度になるわけでございますが、学校債の募集対象につきまして、それまで同窓会会員あるいはPTA会会員等に限定しておりましたものを、この限定を払いまして、広く一般人を募集対象としても差し支えない旨の通知を発出しておるところでございます。

 また、こういった収入源の多様化を図る意味では、寄附金等のウエートが高まってくると思っておりますが、税制上の扱いにいたしましても、従来、私立大学の受託研究につきまして、収益事業として課税されておりましたものを、平成十四年度よりは原則非課税とされておりますし、現在国会で御審議いただいておりますが、十五年度よりは、個人が土地や建物などを寄附した場合に生じるいわゆるみなし譲渡所得についても、大学に寄附を行う場合の非課税措置の要件、手続の大幅緩和について御審議をいただくことになっておりますので、こういった観点も踏まえて、収入源の多様化が図れれば大変ありがたい、こう思っておるものでございます。

 

○馳浩委員

 この点に関しましては、ぜひ自民党の先生方にも税制調査会で大きな声で御支援いただきますことを強く要望しておきます。

 次に、今までの質問は、危機管理マニュアルでいえば危機回避のための予防策にかかわるものでありましたが、ここから私は、最も関心がある危機管理マニュアル、さらには破綻処理も含めた意味での危機対処法について質問をさせていただきます。

 まずは、学校法人の財務情報を毎年受けている文部科学省が、私学事業団また第三者評価機関が経営悪化を察知したら、ここに警告を発するシステムをつくる必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 次に、いよいよ経営危機に陥り、単独での再生が難しくなった場合の話ですが、この場合、とれる手段は、破産法による清算はもちろんですが、再生となれば、学校法人の設置者変更、具体的には法人丸ごとの完全譲渡や学部単位の部分移管、分離分割移管、もしくは合併、これも、対等的・戦略的合併と、救済的・危機回避的合併のいずれかになるわけです。

 そこで確認したいのが、危機回避的合併の話です。

 この場合、法的処理としては民事再生法が適用になるわけですが、民事再生計画の内容が危機回避的合併の場合、学校法人が対象ですから、私立学校法が適用され、理事の三分の二の同意で再生計画が決定され、次に、文部科学省の承認も必要となります。しかし、ここは、決議された再生計画は、民事再生法に言う裁判所の許可のみを要件とすれば足りるのであり、文部科学省の承認までは不要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 いずれにしても、さまざまな面を含めて、民事再生法とのすり合わせが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 

○河村副大臣

 私学の危機の時代がやってきたということでいろいろな御指摘をいただいておりますが、今、いよいよ私学の状況が悪くなってきたという状況があったときには文部科学省からも積極的に警告を発しろ、こういう御指摘でございます。

 これまで、私学の経営については、私学の独自性、自律性というものを非常に重んじてきた経緯もございまして、文部科学省としては、第一義的にはその学校法人が一層努力願いたいということで今日まで来たわけでございまして、事前の指導、相談ということは、大学側から申し出があれば乗っておった、あるいは、私立学校振興・共済事業団では経営、教育等についての相談業務もやっておるわけでございますが、どっちかというと受け身の状態であったわけであります。

 これを文部科学省として今度はどこまで出ていくかという問題だと思いますが、これも今、産業についても産業再生機構等があって、積極的に政府も関与していくというようなことでございます。私大連盟の方も、危機管理マニュアルを持っておられて、それについては自主的に、自分たちでもお互いに助け合おうという感覚がふえてきておると思いますが、文部科学省としても、今年度になりましてこの体制を、経営指導の強化をしなきゃいかぬということで、私学経営企画官、専門官、係長を入れる三名で、具体的な方策について今検討をいたしておるわけでございます。

 どこまで文部科学省が警告を発するかという問題でしょうが、警告を発するということになりますと、これが表へ出ますと、そのことだけによっって評価を失って大学が成り立たなくなるという問題もございますので、どういう形が一番いいのかという問題だろうと思います。少なくとも、四年間もうずっと二分の一定員割れしていて私学助成もできない状況にあるというようなことについては、やはり何らかの形でこの対応を図る必要があろう、こう思っておりまして、御指摘の点は十分対応していかなきゃいけない重要な課題だと受けとめております。

 なお、具体的な今の民事再生法等の問題については、私学部長の方から答弁させます。

 

○加茂川政府参考人 (文部科学省高等教育局私学部長) 

 民事再生法の関係についてお尋ねがございましたので、お答えをいたします。

 同法は学校法人にも適用がございます。具体に、再生計画の決定については裁判所の認可が必要であるのも委員御指摘のとおりでございます。その再生計画の中に学校法人の合併といった事柄が含まれてまいります場合には、所轄庁、文部科学大臣等の合併に関する認可が必要になるのも御指摘のとおりでございます。

 この合併に関します所轄庁の認可と申しますのは、合併に伴いまして、学校が教育研究を支障なく継続できるか、運営できるかということが課題になるわけでございまして、裁判所の行う認可が計画が実行可能であるかどうかという観点から行われるものと若干観点は異なっておりますので、私どもはそれぞれ必要性があるんだと考えておるものでございます。

 ただ、学校法人の円滑な再生ということが裁判所の手続のもとに進められる場合には、私どもとしても適切に対応する必要があるんだという認識は十分持っております。

 

○馳浩委員

 いずれにせよ、大臣、大学の設置基準の緩和等をした以上は、後始末の問題についてもある程度のガイドラインとか法的な整備というものを考えるべき時代に入ってきたなということなんですよ。学校法人再生法なんてつくれと、そこまでは言いませんが、それほど現場の学校法人の理事さん方が大変危機感を持っているということの御認識をぜひいただきたいという質問でありました。

 最後になりますが、昨年、金沢市内の企業の入社試験でこういう問題が出題されました、大東亜戦争(太平洋戦争)の背景とその流れについて記せ。これに対して、金沢公共職業安定所が文書で、出題が戦争の是非について問うているとすれば、応募者本人の思想、信条の自由にも抵触するおそれがあると指摘して、求人職種に対する応募者の適性、能力を見る一般的なテーマに変更するようお願い申し上げるとした行政指導を行ったのであります。これに対して企業側は反発し、指導の撤回と謝罪を求めており、地元新聞でも大きく取り上げられております。この指導が適切だったのか、まずこれを伺いたいと思います。

 関連して、企業側は、戦争の是非は聞いていない、近現代史の理解度を聞いていると反発していますが、例えば仮に戦争の是非を聞いたとしても、そもそも論として、このことが個人の思想、良心の自由の侵害になるのかもあわせて伺いたいと思います。

 

○三沢政府参考人(厚生労働省職業安定局次長) 

 お答え申し上げます。

 お尋ねの件につきましては、平成十三年度の高等学校卒業予定者の採用に当たりまして、金沢市内の事業所に応募いたしました受験生から、先ほど御説明のあったように、大東亜戦争についてというテーマの作文が課されたとの報告があり、これを受けまして、石川県の教育委員会、それから私どもの石川労働局等でいろいろと協議をした結果、この作文のテーマがいろいろと解釈の余地があり、また、出題者の意図は別にいたしましても、戦争の是非について問われていると受け取られるような懸念があるということから、私どもとしては、採用に当たっては職務への適性、能力に基づいて判断することが適当である、こういうことから一般的なテーマへの変更をお願いしたもの、こう承知しております。

 ただ、このようなハローワークの指導を受けられた事業所の方々が、自分としては公平な採用に努めている、自分の意図とは異なっている、あるいは反しているということで、心外というふうなお気持ちを抱かれるところがあったかもしれませんけれども、私どもとしては、先ほど来申し上げておりますように、採用に当たっては、あくまでも職務に関する適性、能力の点について採否を決定いただくようにお願い申し上げたというところでございますので、御理解をお願いしたいと思っております。

 

○馳浩委員

 今おっしゃったように、この出題をした企業の経営者の方は、大東亜戦争(太平洋戦争)の是非を問うような意図は全くない、近現代史の歴史の事実関係を把握しておるか、その辺を問うと言っているのでありますから、その点も考慮して、こういうふうな文書による行政指導というものはすべきではないという私の意見を申し上げて、質問を終わります。

  


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